電流はその周囲に磁場を作り、コンパスに力を及ぼす。軽いコンパスを重い磁石に代えれば、近くにある電流に力を及ぼす。これは作用・反作用の関係だ。このような磁場と電流の間の力は電磁力と呼ばれる。モーターやスピーカーは電磁力を応用した技術である。

1)電流が磁場から受ける力−1 実験


Fig.1 アルミ箔のブランコ

  Fig.2              

Fig.3      レールガン

Fig.4              

            
            Fig.5   クルックス管


Fig.6              

2)電流が磁場から受ける力−2 磁場から受ける力の起源、向きと大きさ

   

Fig.8  電流が磁石に及ぼす力の反作用が電流が磁場から受ける力(電磁力)だ
       

Fig.9 磁場Bの中の長さlの電線に電流Iが流れるとき電線にはたらく力の向きと大きさ
       

Fig.10 磁場Bの中で正の点電荷qが速度vで移動するとき点電荷にはたらく力の向きと大きさ

     

   

3)電流が磁場から受ける力の向き

手の指を使った3っつの方法のどれか一つを使えれば良い。 歴史的にはフレミングの左手則が有名だが、生徒は右手則・左手則を迷いやすいし、実際の応用で腕に無理がかかることもある。各自の好みであるが、試してみるとFig.13の右の手のひら「電・磁-->力」法が無理がなく合理的だと思われる。



Fig.11  フレミングの左手則


Fig.12 右手3本指、電・磁・力 則


Fig.13  右てのひら、電・磁-->力 則


     

   

4)モーターとスピーカー

電磁力を応用した身近な例はモーターとスピーカーである。

             
Fig.14  直流モーター
             
Fig.15 スピーカー
                            
Fig.16 (左)実験用モーターもスピーカーになる。
Fig.17 (右)ペットボトルスピーカー
   
  

3)練習問題





Fig.18 スイッチを入れたら導線が動くのはAかBか?

Fig.19 スイッチを入れたらアルミ棒が動くのはAかBか?

Fig.20 図のように磁石を近づけたら電子ビームはどの向きに動くか?

Fig.21 モーターの回転の向きはAかBか?

Fig.22  点P はどの向きに動
くか?

Fig.23  一辺1.0mの正方形
の電線にはたらく力の向き
と大きさを求めよ。

Fig.24  導線Pにはたらく力の向きを求めよ。

Fig.25  (a)、(b)それぞれについて導線にはたらく力の向きと大きさを求めよ。
Fig.26 導線P、Q、Rに1.0Aの電流が流れているときRが受ける力の向きを求めよ。
Fig.27 均一な磁場B中に電子、陽子、中性子が移動するときそれぞれどのような運動をするか?
  

3)参考文献

1)秋吉優史、「クルックス管の安全な取り扱いとその課題」2018.3.8