19世紀の初めまで、電気(静電気や電流)と磁気(磁石の磁性)は全く別の現象と思われていた。1820年、エルステッドは電線に電流を流したとき偶然そばにあったコンパスが振れたのを見て、「電流は磁場をつくる」ことを見出した。「電磁気」の発見である。

1)実験 ー 電流とコンパス 


Fig.1                      


Fig.2          
Fig.3                           (修正済)  
 Fig.4   



Fig.5              
Fig.6



Fig.7              
  

2)電流がつくる磁場の向き ー 「右手おや指則」

上の実験で、コンパスのN極が向く向きはその場所の磁場の向きだ。直線電流やコイルに流れる電流のまわりにできる磁場の向きは次の「右手おや指則」で求められる。図には向きの求め方とともに磁場Bの大きさを求める式が示されている。


Fig.8  直線電流がつくる磁場の向き
   おや指が電流の向き
   4本指が磁場の向き


Fig.9 円形電流がつくる磁場の向き
    (左図)おや指=電流、4本指=磁場
    (右図)4本指=電流、おや指=磁場

     
   Fig.10  コイルがつくる磁場の向き
         4本指=電流、  おや指=磁場

   

3)練習問題



次の図でスイッチを入れるとコンパスはA、Bのどちらに振れるか。

Fig.11

Fig.12


Fig.13

Fig.14

Fig.15  点A、Bの磁場の向きと大きさを求めよ。

Fig.16  点Aの磁場の向きと大きさを求めよ。

Fig.17  点A、Bの磁場の向きと大きさを求めよ。

Fig.18  円形電流の中心の磁場の大きさはゼロである。円形電流の向きと大きさを求めよ。