Impression Reports on Science 科学関連感想文       11th 12th
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Genseki KOIZUMI

小泉 玄碩

(9-7-2017)

漆原晃

物理基礎、物理が面白いほどわかる本(電磁気編)

    私は今まで物理の公式などでわからないことがあってもほったらかしにしていました。振り子の法則などでなぜパイが公式についているのかのど何も考えずにテストのためにただ覚えていました。そして公式の意味など考えず問題の解法だけをただ暗記して数字を公式に当てはめるだけで作業的に物理と言うものを学び、基礎的な公式などをないがしろにしていました。その為、応用問題などに対応できませんでした。実際に物理と言うものは実学で、実験によって得られた結果で公式などが作られていて基礎的なF=maなどといった公式は覚えなければなりません。しかし物理と言うのは建物と同じで一つの基礎的な考えが次の考えの土台になり、発展していくことをこの本を通して知りました。この本では基礎的な根本概念に焦点を当てそれについて丁寧に説明し、そこからどのように発展した内容に応用していくかを説明していて、基礎が発展的な物理の考えを理解する上で最も重要だということに気づかせてくれました。
            例えば、抵抗の強さがなぜR=ρ×S/Lでもとまるのかを知りませんでした。この本ではその公式をストローを使って説明していました。ストローは長く、細いと吸いにくく、抵抗も同じで抵抗が長く細いと値が大きくなるのです。また回路の問題では、電流を水の量、電圧は水を高いところから低いところに落とす行為に、そして電池をポンプにたとえ、電気回路を日常的に目にするものと比べながら説明していまいた。この2つの説明によって僕が苦手としていた回路の根本的な考え方を私に理解させてくれ、またここから発展した内容についてもこの根本概念を使いながら説明し、応用的な考え方まで理解させてくれました。このようにして基礎の概念によって応用的な内容を理解する方法を私に教えてくれました。
            またこの本の著者である漆原晃先生が21世紀の重要なテクノロジーの分野の一つである「スピントロニクス」の開拓にも携わった人であった事に私は驚きました。そしてやはり重大な発見をするような人は根本概念からあやふやなところなくしっかり理解し、知識が整理されているため、説明もうまいのではないかと私は思いました。また、今私達がやっている高校物理の基本的概念も彼のような重大で応用的な発見をする上で必要なプロセスであると気付かされました。

            この本は応用的な物理の考えを知る上で基礎が重要であることを私に教えてくれました。この本をもっと多くの人に広めたいです。物理が嫌いだった人でも、この本の明快な解説によって理解し、物理の楽しさをもっと知って貰いたいです。        

Aru Suzaki

須崎 在

(8-30-2017)

望月 修

オリンピックに勝つ物理学

私がこの本を選んだ理由は、小さい頃からスポーツが好きで、どうやったらもっとスポーツにおいて、効率よくスマートに良い結果が出せるかについてとても興味があり、それを達成するためには物理的にスポーツを考えることが、有効な手段の一つだと分かったため、本の題名を見て、面白そうだとおもったからです。
この本は、流体力学を専門とし、大学の博士課程修了後、スキージャンプの日本代表チームの流体工学研究員として活躍した著者が、水泳、陸上競技、球技、フィギュアスケート、スキージャンプの五つのスポーツを物理的に説明しているのですが、私が特に興味を持ったのは、陸上競技と球技の部分でした。
まず、陸上競技では、私が今まで持っていたトップアスリートの動きの謎をよく理解することができました。一番初めに驚いたのは、効率の良い足と地面の接地角度を11年生で習った範囲の物理で簡単に導き出せたことです。走りの推進力となるのは、人が地面を押したときに受ける、ニュートンの第三法則の作用・反作用の力の、水平成分であり、地面とシューズの間の摩擦係数を0.3と仮定すると、tanθ=1/0.3 , θ=73°と求めることができ、これ以上の角度で力を加えても、スリップしてしまうことが予想できました。私は、この計算はとても基礎的であるが、知っていると知らないとでは、記録に大きな差が出ることにとても感心しました。さらに驚いたことは、100m走において加速しているのは初めの30m程度で、あとは減速しないように等速運動しているだけだということです。だから、初めは前傾姿勢でスタートし、加速度を上げてから、途中で体を起こし、直立姿勢で走っているんだと、わかりました。今まで私は後半もガムシャラに走り、スピードを上げようとしていましたが、スタートの加速が大事だということに気が付くことができました。
次に、球技では、サッカーや野球やバレーボールなどで使われる、無回転のボールに感心しました。私は、野球のカーブボールや、ストレートの仕組みは勉強したことが少しありましたが、無回転のボールは、もう少し複雑で、理解しきるのに時間がかかりました。無回転ボールとは言っても、出発地点から目的物まで、1~2回転はしていることは、新発見でした。ボールが無回転で進むことによって、空気の剥離が起き、ボールの後ろで複雑な空気の尻尾のようなものができることによって、球がブレることがわかりました。しかし、そのためにはある程度の球の速度が必要なため、もっとフォークボールなどの変化量を上げるために、球速を上げなければいけないということもわかりました。
このように、物理的にスポーツを考えると、今までの自分の動きに間違いがあることに気づき、課題と目標を明確にすることができるとわかりました。これからも、このような本を読んだり、physicsを勉強して、自分の好きなスポーツに活かしていきたいと思います。

Tomomi Ide

井手 友美

(8-30-2017)

アインシュタイン

インフェルト

石原 純(訳)

物理学はいかに作られたか

私は、「物理学はいかに作られたか」を読みました。 この本では、物理がどのように現実とつながっているか、また、どのように物理の理論が構成されていったかを説明していました。私は、この本を読み、思ったこと、学んだことが三つあります。
一つ目は、物理がとても身近にあると改めて思いました。ちょっとしたことでも、そこには物理が存在していることが分かりました。例えば、葉っぱが木から落ちるだけでも、その葉っぱには地球の引力や、空気の抵抗が働いています。このように私たちが常日頃行っている動作も物理が関係していると思うととてもおもしろいと思いました。当たり前の動作ほど、そこに物理が存在していることは気がつかないので、この本を読み、これからいろいろなことに目を向けてみようと思いました。
二つ目は、運動の力学の基礎、慣性の法則(物体に外部から力がはたらかないとき、静止している物体は静止し続け、運動している物体はそのまま等速直線運動を続ける)は理想化された実験から導かれたものだということを知りました。確かに、まったく摩擦のない道で車を走らせることは現実ではできません。このように、現実では決してできない実験によって、観察と矛盾しない思索によってできた法則は他にもあるのではないかと思いました。
三つ目は、最初に物理の法則に気がついた人はなぜそれに気がついたか疑問に思いました。例えば、ニュートンはなぜりんごが落ちるのを見て、りんごは地球に引かれていると思ったのか不思議です。やはりニュートンやガリレオは他の人とは違った考え方をしていたのかと思います。言い換えると、今の世の中にも、まだ発見されていない法則があり、見方、考え方を変えてみるとそれが浮き出てくるのではないかと思いました。

この本を読み、11年で学んだ物理をよく考えてみると新たな発見があり、おもしろかったです。12年で学ぶ物理も身近なことに絡め、楽しく学びたいと思いました。

Jonah Egashira

 江頭 叙那

(8-14-2017)

山本一成

人工知能はどのようにして「名人」を超えたのか?

松本徹三

AIが神になる日

私はこの夏人工知能に関する本や雑誌をたくさん読んだ。きっかけは「人工知能はどのようにして「名人」を超えたのか?」という本を読んだことである。著者である山本一成さんは将棋界最強と言われる将棋AIポナンザを開発した本人であり、ポナンザは電王戦と呼ばれるプロ棋士達と対戦するトーナメントで見事プロ棋士に圧勝した。これだけだと人工知能は単に一つの事柄に対してコンピュータのように膨大な計算をおこなって学習していくもののように感じるが、AIに関する様々な本を読んでその考えが変わった。
「AIが神になる日」(松本徹三)を読んで、これからの科学技術や人類の発展に人工知能が欠かせないと強く感じた。今まで科学というものは人間が持っている知恵を使い、仮説を立て、検証し、その正しさを証明することで発展してきた。そこには天才と言われた科学者のひらめきや豊かな知識が必要であったが、将来的に人工知能は膨大な量の論文を読み、「自己学習」という「膨大な量のメモリーの中から、一定の法則を見つけ出して、仮説の検証を繰り返す」能力によって、人工知能が科学する日もそう遠くはないという。ソニーコンピュータサイエンス研究所代表の北野宏明氏は「2050年までに、ノーベル賞級かそれ以上の科学的発見を行う人工知能を開発する」プロジェクトを始めているという。現在でも人工知能を企業の売上を伸ばすために活用している会社はたくさんある。しかし、時代が進めば人工知能が科学技術に革命を起こし、人類が人工知能に頼って生活する時代が必ず来ると私は思う。人間の脳に限界があるのに対し、優秀な人工知能がさらに人工知能を作れるようになったら、人間は自分たちよりも賢い存在に頼って生きていくのは不思議な事では無いと私は思う。
私が人工知能に興味を持ったのは、そのような科学技術の発展に欠かせないからという理由ともう一つある。それは人工知能が哲学的な問題に深く結びついてるからだ。例えば、人工知能によって完全に運転が自動化された自動車が運転者と歩行者がどちらか犠牲になる事故に遭遇した時、その自動車はどのような判断を下せばよいのかといったものである。また、感情や自我を持った人工知能が現れた時に、「人間とは何か」そして自分という存在について深く考えなければならない。つまり人工知能の研究というのは、理系の人間が人工知能を作ったから科学技術に応用すれば良いといった簡単なものではなく、文系と理系の枠を超えてAIの在り方や活用の仕方を熟考していかなければならないものなのだ。
今回、この読書感想文を書くにあたって「人工知能」というテーマは「科学」というものから少しそれてしまったような気がするが、将来人工知能が自ら科学する時代がかならず来ると信じて、このテーマについて書くことにした。人工知能は作った研究者本人でさえ、どのように賢くなったのかわからない、と語っている事が多く、その多くは謎に包まれている。だがそのすべてを解明できなくても、私達は人工知能との在り方と、どのようにして人類のために有益になるかを考えなくてはならないと思う。

Saori Shiba

芝 沙織

(8-9-2017)

ウォルター・ルーウィン

これが物理学だ

物理読書感想文

今回の夏休みに、私は「これが物理学だ ウォルター・ルーウィン著」を読んだ。私の住むマサチューセッツ州にある世界の中でも有名なMITの教授が書いたので、どういう物か気になったのでこの本を選んだ。
この本には習った内容や初めて知った知識、理解に時間がかかった情報などたくさんのことが述べられていた。その中でも印象に残っているのは、「寝て身長を測ると、身長が2.5cmも伸びる」という内容である。これは作者の祖母が言った言葉である。この事実を知った時まさかと思い、証拠もないのに間違っているに違いないと疑った。私以外にも同じことを思う人は多いだろう。もしこれが真実であれば毎日ベッドから起き上がっている時に、自分で気づくだろうし、ほとんどの人が常識として知っているだろう。しかし、作者が計測を行った結果、これは真実であり、祖母の言葉は本当であった。理由は横になるときよりも立っている時の方が脊髄骨が圧縮されて脊髄が縮む。つまり、根拠のない昔の知識は全て嘘ではないということがわかる。古い情報は間違っている可能性が高いと考えてきたが、これを読んで考えを覆し、勝手に嘘だと思い込んではいけないなと実感した。
しかしもちろん昔の情報が間違っていることもある。有名な物理学者、ガリレオガリレイは「クジラ以上に大きい哺乳類が存在しないのは、骨に負担がかかり骨折するからだ」と答えた。作者は本当かどうか確かめるために実験し計算した。その結果、作者の計算が合わず、ガリレオの考えは間違っているという決断になった。インターネットで他の研究者の説明を見たが、この本の作者と同じ結論になっている。つまり、有名な学者でも間違いをおかすということである。
物理学者は新しく発見したことを追求するだけでなく、昔の情報の正誤など調べて正しいことも証明する。つまり、物理には永遠の課題がある。また祖母の言葉のように、日常のなかに知られていないこと、発見されてないことが隠れている可能性がある。日常生活は未知の世界に包まれていると私は考える。だから、何気ない毎日の中で小さな疑問を見つけ出し、それについて調べてみるのも興味深いと思う。もしかしたら当たり前だと思っていたことが実は間違っていたり、ごく当たり前の中に誰も知らないことが潜んでいたりするかもしれない。この本を読んで物理のまた別の一面に気づけて、より物理が好きになった。

Shunsuke Takeda

武田 竣介

(8-7-2017)

佐治治夫

量子は、不確定性原理のゆりかごで、宇宙の夢をみる

「量子は、不確定性原理のゆりかごで、宇宙の夢をみる」を読んで

 「量子論」とは、アインシュタインの提唱した「相対性理論」と共に現代物理の2つの礎を成す理論だ。。1900年代に入り、これまでの古典物理学では説明の行かなかった光や物質構造を説明するために生まれたという歴史を持つ。例えば、11年生の最後に習った光の干渉や回析からは、光が粒子であると同時に波でもあるという二重性がうかがえる。ニュートン力学だけでは光の波動性は理解できないだろう。
 
粒子は観測をしないとき、波として、電子なら原子核の周りを回っている。そしてその波は重ね合わされ、雲のようにその原子核をくるんでいる。土星の輪のように決められた軌道を通るのではなく、あくまで一つである電子が雲のように広がっている。これは昨年Dr.シャンドラの化学で習ったelectron cloudの考えだろう。物理学者ド・ブロイが証明した「粒子にはいつも波の性質が付きまとっている」という考えのように、「ミクロの物質を雲のような波として考える」のが量子力学の根本をなす理論である。そしてその波は観測すると同時に一点の粒として現れる。この常識では考えられないような、観測による急激なこの変化にはアインシュタインも難色を示し、量子力学に反対したという。
 量子がなぜ雲のような形で存在するかというと不確定性原理が深く関わっている。「不確定原理」とは、人間がミクロの世界の物体を正確に観測することはできないという原理である。もしこれがマクロな世界であれば、計測は容易である。例えばピッチャーの投げたボールならスピードガンと高速度カメラの利用で「位置と運動量」を同時に観測することができる。しかし、ミクロの粒子を観測しようと光をあてると光は波であると同時に粒子でもある(二重スリット実験より)ので、電子などの粒子を吹き飛ばしてしまう。逆に光の波長を長くして、電子を飛ばさないように計測をすると、今度は粒子の正確な位地が割り出せない。量子の位置と運動量の同時観測は理論的に不可能であると言える。
 アインシュタインは「位置と運動量」の同時観測が不可能な理由を、「人間がただ正しく測定できていないだけであってそこにはしっかり存在している」と考えたと言う。古典力学を授業で習ってきた私なら、アインシュタインと同じように考えたと思う。しかしこれを、量子力学の父ニールズボーアは「量子の世界においては、実験の結果はそれを観測した瞬間に初めて、どのような結果になるかが確定する」と解釈した。我々からすると一般常識では理解し難い解釈である。
 この著書は、宇宙研究などこれからの技術的進歩を人類が遂げていく上で欠かせない、量子論の世界観を、概観することができる。これは、限られた「不確定性原理」というテーマだけで一般人向けに分かるよう簡易に書かれているからである。語り口調で話しは進み、あたかも自分が佐治氏の講義を受けているかのような印象を受ける。
 アメリカの研究チームが、重力波の存在を間接的に見つけるなど、宇宙がより身近になっている現代を生きる者として、量子論や相対性理論などを柱とした現代物理学をもっと深く学び、研鑽を積みたい。その為に来年の上級物理を真剣に頑張りたいと思う。

Taiga Seri

瀬理 大我

(8-6-2017)

長澤光晴

図解 眠れなくなるほど面白い物理の話

     来年から12年生になるということで、慶応NY生として三度目の、そして最後の夏休みが始まった。最初の一、二週間ほどは、学校生活での疲れが抜けなかったので、日本の美食を堪能しながらただぼーっと過ごしていたのだが、流石にこれはまずいと思いまずは夏休みの宿題をなんとかしようと考えた。私は、実際に宿題に取り掛かるのが面倒だと思ってしまいがちで、いつも課された宿題の準備と整理から始めるのだが、今回の夏休みもその例外ではなかった。準備や整理といえば聞こえはいいが、要は参考書や読書のための本の購入、そして先生たちから渡されたプリント類をかき集めるだけである。その中の一枚が、森谷先生から来年のHonor Physicsの生徒達全員に配られたプリントであった。復習やテストという机に向かわなければいけなそうな事柄はひとまずおいておいて、私は三つ目の項目に着目した。そこには簡潔に、「科学に関する本を読んで、読書感想文を森谷先生までメールで送りなさい。」と書かれていた。楽そうな、もとい宿題に必要な準備のために、私はとりあえず本屋へ向かった。科学に関する、と記されていたとはいえ、これは物理の宿題だ。様々な科学に関する本を物色する上で、私の中に物理以外の選択肢はなかった。だが、私は「物理」というキーワードに縛られすぎて、タイトルにそれが含まれている物以外には目もくれなかったため、一向にそれらしい本を見つけられずにいた。しかし、この本屋はダメかと思ったその瞬間、私はある本を視界の端で捉えた。ー図解 眠れなくなるほど面白い物理の話 長澤光晴ー 私はこれだと思った。表紙裏などには目もくれず、すぐさま会計を済ませ、十分な達成感に満たされた私は、本の購入だけでその日の活動を終えた。それが、この本との出会いである。内容もろくに確認せずに買ったものがそんなにいいもののはずがない、と思うかもしれないが、存外、私の検索の仕方は間違っていなかっことは、この本を読み始めてすぐに確信することとなった。

      前置きが非常に長くなって申し訳ない。何分、学校が終わって以来一度も文章を書いていなかったので、ひさびさに感じるキーボードを打つ感覚に浸ってしまっていた。もうお分かりかもしれないが、この感想文において序章はそこまで重要な意味をもたないので、私の夏休みの私生活については記憶の片隅にでも置いていて貰えば幸いだ。では気を取り直して、私がはまったこの本の内容についてお話しすることにしよう。まずこの本のコンセプトとしては、身近な生活における様々な謎をすべて物理で解明する、というものだ。加えて本書では50もの疑問を解明していて、種類分けがないと不便なため第1章から第5章にまで分かれている。それらは上から「生活と物理」「自然と物理」「スポーツと物理」「乗り物と物理」「光と音と物理」の五つである。次はこの本の一番の特徴について説明したい。それぞれの疑問は大体2〜4ページで解説されているのだが、そのタイトルのすぐ隣、つまりページの端にはタイトル毎に8つの項目がリストアップされている。上から熱学、力学、光学、流体、電磁気学、量子力学、波動、地球物理と記されており、各疑問を解決するのに必要な分野のみハイライトされるようになっている。例えば、一つ目のタイトルである「コップの水はなぜ、せり上がっているのか?ー水の表面張力と界面張力ー」なら、力学と流体といった具合である。また、本書には「図解」というだけあって、各タイトル必ず1ページ以上は図やグラフが挿入されていた。「雪や氷の上でスキーやスケートが滑りやすいワケは?」という疑問に対して復水と摩擦熱を利用していることを解説する上で、まず氷の表面の状態を図示している。氷の上を滑っているスノーボードプレーヤーのスノーボードと氷の間に太めで色違いの線が引かれており、その薄い水の層が潤滑剤の役割をしているのだという。次に、概略化された水の状態図がグラフとして描かれており、ここから水は約マイナス20度以下で液体になれないことがわかる。しかし、冒頭ではスキーの板やスケートのブレードが、マイナス30度の気温の中でも雪や氷の上でよく滑るものだと前提されている。

Chieri Tachikawa

立川ちえり

(8-14-2015)

ファインマン
「ご冗談でしょう、ファインマンさん」
岩波現代文庫
Feynman, “Surely You’re Joking, Mr. Feynman!
photo
私は今回、この本を読むまでファインマンさんというのが、何をした人で、どういう人な
のか全く知りませんでした。正直、名前も聞いたことがありませんでした。
そこで、私はなにも知らないまっさらな状態から、この本を読むことになりました。最初
の2章ほどを読んだあとの私の感想は、つまらない、でした。残念ながら、問題として解
くことや、図を見ながらでなら理解できても、文章だけで彼がしていることを説明されて
も全く分からなかったのです。最初の2章というと、たしか電球をつなぐのが面白いだと
か、ラジオを修理するためにこうする、みたいな話だったのですが、チンプンカンプンで
ほぼ流し読みをしていました。ですが、少しずつ読んでいくと興味深い話や、単純に笑え
てしまうような話もありました。たとえば、イタリア語の話です。例えば、上巻では、彼
はイタリア語を話せないのに、イタリア語のイントネーションを習得しているから、他人
にはイタリア語が話せるように聞こえるのです。これには、少し笑ってしまいました。あ
と、戦時中に、彼が軍人として働けるか判断する健康診断にいく話があるのですが、それ
では、彼は少し意地悪をして話しているだけなのに、医者にはファインマンが死者と話し
たり、視線を過多に感じたりする精神異常者に見えているのです。それで、彼は徴兵を免
れたりするのです。
そして、前編の後半の方は、彼が戦争に少しで貢献するために、原爆の開発を進めてい
くのですが、これの話はとても興味深いものでした。もちろん、金庫の話も面白いし、フ
ァインマンがいかに頭の回転がはやいかわかる話ではあるのです。しかし、個人的には彼
が章の最後の方で、原爆の被害距離を考えて、もし○○に原爆が落とされたらここ(その
シーンではカフェ)に被害がくるのか、距離はどのくらいだったかと考えていたり、新し
く建築しているものをみて、『ほかの国に原爆を落とされたらこんなものあっという間に壊
されるのだから意味がない』と考えていたりするシーンが興味深いです。作ったものの威
力を十分に理解し、恐れながらも、きっと作ったことに後悔なんてないのだろうと思うの
です。彼ら物理学者は、新しい兵器を作りたかったというよりも、手掛けていた問題が解
決して、うまく物が作りたかったのであったのではなかろうか、とも思いました。あと、
この作品を読んでいると、今よりも全く放射能が危険視されていないのです。トリニティ
の実験では、そう原爆から離れていない位置から実験経過を眺めているし、十分な防護服
も着用していません。それに、研究所内で放射性物質を手で転がして遊んでいた、という
表現があるのでとても驚きました。もちろん、検問の話やほかの話もとても面白かったの
ですが、とくに印象に残ったのはこの話でした。
そして、私が感嘆し、ついメモまでとってしまったのは、下巻の最初の方の章のお話し
です。その章では、いかに暗算で正確に計算をするか、について書かれていました。抜粋
するとこんな感じです。48の二乗をするには、まず近い値である50を二乗して、そこ
から二つの数字の差である2に100をかけて、引きます。つまり、2500-200で
す。そうすると2300がでてくるので、だいたい答えは2300前後とわかります。正
確に計算するのであれば、差である2を二乗して、それを2300に足します。そうする
と、2304になって、これが答えなのです。私はこれをみてとても驚きました。なぜか
というと、今まで私が電卓なしでは出来なかった計算がこんなに簡単に解けてしまうから
です。他にも積分とか、いろいろ便利なやり方が載っていたのですが、いまは勉強不足で、
よくわからなかったので、とりあえずは上記の計算方法を習得しようと思います。こんな
方法があったなんて、と本当に目から鱗が出そうでした。
この本を読んでみて最終的に思ったことは、経験というのはとても大事なことなのだな
ぁということです。作中で、ファインマンは勉強を教えていたり、夜の街に散歩にいって
色々な人を観察してみたり、とりあえず何かしていないと、なんのアイディアも浮かんで
こないと述べています。ぼーっと座って考えていても研究したいことも、あまつさえ疑問
すら浮かばないのです。でも例えば生徒に授業を教えていて、質問されたことがとても重
大な問題だったりして、そこから研究への意欲がわいたりするそうなのです。きっとこれ
は、ファインマンに限ることではないと思います。私は今まで、あまり意欲的に活動に取
り組むということをしたことがないし、普段から無気力な人間なのですが、今回この本を
読んでみたことで、その生活を改めてみようと思いました。少しずつ、色々な事にチャレ
ンジして経験を積んでみようと思います。また、最初はつまらないなと思ったこの本でし
たが、全部読んでみると結構面白かったし、学べる事もあったので、読んでよかったです。

Marina Sayo

佐用万莉奈

(8-18-2015)

京都大学訪問

My visit to Kyoto Universityyamanaka

私は 7 月 27 日に京都大学を訪問した。理由は、父が招待されたためである。

まず、私は東アジア人文情報学研究センターを見学した。そこでは、中国研究のためなどに沢山の蔵書があ り、一つ一つがとても貴重なものであった。徹底された管理のもと、日々の研究が進められていることを感じた。

次に、湯川記念館を見学した。1949 年に湯川秀樹教授がノーベル物理学賞を受賞したのを記念して建てられ たものだ。入口には、湯川教授の胸像があり、また、湯川教授の研究室を再現した部屋などがあった。その部 屋の中には、研究のために使われた本が本棚の中にびっしりと並んでいて、たくさんの努力をしてノーベル賞 を受賞したのだと思った。実際に湯川教授が使っていた椅子に座ることができ、とても貴重な体験ができた。

その後、京都大学の山極総長の講演を聞いた。「グローバルリーダーの条件をゴリラから学ぶ」というタイト ルで、ゴリラ社会のリーダーの姿から、今、人間社会に求められるグローバルリーダー像についての講演だっ た。人間とゴリラのリーダーに共通していることは、愛嬌がある、運が良さそう、背中で語るということだっ た。

最後に懇談会が開かれた。そこで私は京都大学 iPS 細胞研究所所長で、2012 年にノーベル生理学・医学賞を 受賞した山中伸也教授と写真を撮ることができた。懇談会には 15 分ほどしかいられないということで、あまり お話をすることはできなかったが、それだけ多忙な方なのだと思った。また、山極総長とも写真をとることができ、少しお話しすることができた。

今回の訪問で、私は今までになく貴重な体験をすることができた。また、何を学ぶにあたっても努力がとて も大切であることを感じた。今回のことを今後の学習に活かせて行けたら良い。

 

 



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