波動編
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ストローすだれ |
ストローですだれを作り、振動が伝わることが波動であることを示す。また、伝播速度を決定する要因を考える。 |
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縦波を作る | 密度の変化が伝わることが縦波であることを理解する |
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水波観察装置 |
水波は波形が明確に分かるので、様々な波の性質を調べるためにも、音、光に先立って、水波を使って波のイメージをつかむ必要がある。 波源は必要に応じて取り換える。釘の部分がぐらついていると、波がきれいに見えないので、しっかりと固定する。 低周波発振器 アンプ OHP スピーカー フィルムケース ビニルテープ アクリルケース 金のこ刃 釘、木、まち針 プラスチック球 |
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4 |
煙 箱 |
チンダル現象によって、光路を観察する。屈折、回折、干渉、偏光が観察できる。 |
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エコーマイク |
音をバネの反射によって繰り返させ、エコーをかける (1)コップに向かって何かしゃべってみる。 (2)図のように持って、片方の指でばねをはじいてみる。 ペットボトル プラコップ 人形吊り用バネ |
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質量と音 |
音量が小さいものほど振動数が大きくなり、高音を出すことを示す (1)よく洗った指でグラスのふちをこすると、水面に定常波が生じ、音が出る。水の量を少なくする程、音が高くなる。 (2)マジックボイス(ヘリウム入り空気)を吸い込み、声を出す。ヘリウム分子は空気分子より、はるかに軽いことを説明する。 グラスはワイングラスが良い音が出る。手はせっけんでよく洗う。 |
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チンダル現象 |
チンダル現象がなぜ起こるか理解し、この現象を利用して、光の反射・屈折を観察する。 (1)レーザー光をコロイド、チョークの粉、線香の煙などに当て、チンダル現象を観察する。 (2)屈折、反射、全反射などを観察する。 |
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夕焼けはなぜ赤い |
水中の微粒子に光を当て、青空と夕日のモデルを作り、散乱や透過を観測する (1)水に牛乳を少し(数滴)入れる。 (2)透過してくる光を見ると、赤っぽく見える。 電球、懐中電灯 水槽 試験管 牛乳 |
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水波の屈折・反射 |
屈折・反射の原理を観察し、幾何光学と波動光学を結びつけて考えるようにする。 (1)各々、水槽に沈めて、浅瀬を作り、平行波を送り、屈折の様子を調べる。 (2)いろいろな向きから平行波を送り、反射の法則を見る。 (3)平行波を送り、焦点の位置を見る。 (4)1つの焦点に点波源を置き、もう一つの焦点を見る。曲線はある程度雑でも、意外ときれいに焦点が出る。 |
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光の全反射 |
光が相対的に屈折率の大きい物から小さい物へ入射するとき、全反射する様子を観察する。 (1)レーザー光を用いて直角プリズム、アクリル棒、光ファイバーで、光が全反射する様子を観察する。 (2)試験管にビー玉、etc.を入れる。そのまま水に入ったビーカーに沈めると中が見えない。次に、試験管の中に水を入れると、ビー玉が見える。 試験管はビーカーの底につけない方がよい。 使用器具:(1)レーザー光源 直角プリズム 長く太いアクリル棒 光ファイバー (煙箱) (2)ビーカー 太い試験管 ビー玉、etc. |
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水流内のレーザー光 |
全反射によって、レーザー光が水流に沿って曲げられる様子を観察する ペットボトルの穴は、レーザー光を当てて、千枚通しのようなものであける。 |
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色の識別 |
光のどの波長をよく吸収するか、反射するかで、物体の色がきまることを理解する。様々な波長が混ざると、白くなることを理解する。 (1)実験室を暗室にし、Na光源を点灯し、黒板に色画用紙を貼りだして、何色かを問う。光源を切って、蛍光灯をつけると、一瞬にして色が浮かび上がる。 (2)赤青緑の光を重ねると、白くなることを示す。 Na光源 スクリーン 色画用紙(裏にゴム磁石を貼っておく)懐中電灯 3個 セロファン(赤、青、緑) |
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黒体、色 |
黒とは何かを理解させる
図のように針を同じ向きにまとめ、針先側から見ると真っ黒に見える。逆側から見るのと比べれば、違いがよく分かる。ふつうの縫い針は高価である。まち針の頭の部分を、ニッパで切り落とせば、面倒だが安くあがる。まち針 500円ぐらい 縫い針 数千円 |
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水波の回折 |
水波を用いて回折の性質を調べ、光波や音波に応用する。(1)スリットの幅を変えたり、波長を変えたりして、回折しやすい条件を探す。 (2)波長に比べて小さな物体は、波に影響を与えない。 水波発生装置 パラフィン 乾電池 くぎ フィルムケースのふた |
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簡易型水波の干渉 |
手軽に、干渉を見せることができる 定規の端を持って、まちばりの頭が軽く水面に付くようにし、消しゴムの上の部分の、指で軽くたたく。 水槽 OHP スクリーン プラスチック定規 消しゴム まち針 |
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光の干渉 |
(1)CD盤に白色光、レーザー光をあて、干渉縞を観察する。 |
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光の回折・干渉 |
(1)日常的には光は直進して、その結果影がはっきり見えるが、光も回折現象を起こすことを観察する。 (2)一般に極薄の膜しか干渉を起こさないが、レーザー光は干渉性がよいので、比較的厚い膜でも干渉像を作る。 (1)エクスパンダーの前面にワッシャで釘を置き、その像を一度鏡で反射させてから(やらなくてもよい)、ホワイトボードに映すと、回折縞が観察できる。 (2)エクスパンダーで広くした光線をトラペンシート(またはOHPシート、薄いガラス)で反射させて、反射光をホワイトボードに映す。トラペンシートの前面と後面で反射した光の干渉像が見える。 補足:北村)エクスパンダーはガラス棒で代用可。 レーザー レーザービームエクスパンダー 鏡 ホワイトボード(白い紙を貼った板) 小さい穴のあいた物(ワッシャ、etc.) 釘、ねじ、かみそりの刃、くし、etc. トラペンシート(薄いガラス板) |
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光の干渉 |
金属の物差しを反射型回折格子にみたてて、光の干渉実験を行う (1)レーザー光を金属物差しの目盛り刻みの部分に当て、反射光が干渉する様子を観察する。 X線のブラッグ条件のところで、演示として見せるのも良い。レーザー 金属物差し(目盛り1mm刻み) |
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うなり |
うなりを観察し、うなりの周波数は何が原因で決まるか調べる 2つの音叉を用意し、片方は磁石をつけて振動数をずらし、各々たたいて音を出す。磁石の位置を変えて、うなりの振動数を観察する。 |
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偏光偽壁 |
偏光の導入として、生徒の興味を引く (1)図のような箱をつける。箱は、側面を切りぬき、2枚の偏光板を図のように直交した向きに貼る。箱の反対側も同様にする。 (2)中に、斜めの壁があるように見えるが、棒を入れても突き抜けてしまう。 偏光板 2枚(東急ハンズで1枚900円) |
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ストローの偏光板モデル |
モデルを使って偏光の原理を理解する
ストローを並べてセロテープでとめておく。2枚作っておく。 |
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反射光の偏光 |
反射光は偏光していることを、偏光板を用いて確かめる (1)いろいろな反射光を、偏光板を回しながら見ると、光の強度が変化する。 例:遠くの屋根の反射光、机面、黒板面、窓ガラスに写ったカーテン、水たまり、etc. (2)レーザー光をスライドガラスを使って2つに分け、それぞれを偏光板を通し、強度変化を観察する。 ガラスへの入射角はブリュースターの角度程度にする。ガラスの屈折率1.5とすると、tanθ=1.5 θ=56度 偏光板 1枚 スライドガラス(ハーフミラーの代わり) レーザー 白い紙を貼ったついたて 2個 |
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散乱光の偏光 |
粒子によって散乱した光(散乱光)は、入射光に対して90度の方向が最も散乱光の偏光度が大きいことを観察する (1)青空を偏光板を回しながら見る。少し明るさが変化する。太陽から90度離れた方向が、最も散乱光の偏光度が大きい。 (2)コロイド溶液中にレーザー光を通し、それを光の進路と直角の方向から、偏光板を回しながら見る。 偏光板 1枚 レーザー光源(あればビームエキスパンダ)水槽:石鹸水、少量の牛乳を混ぜた水、水槽の中で煙を充満させるなどいずれか |
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鉱物と偏光 |
非立方の透明な結晶を通過した光は、互いに振動面が直交した偏光になることを、方解石の透明結晶を用いて確かめる。 (1)紙に点を書き、上に方解石をのせてこれを見る。2つに見える。 (2)方解石を回す。一点を中心にしてもう一点がその回りを回る。 (3)方解石の上で偏光板を回す。90度ごとに、点が交互に消えたり見えたりする。偏光方向は互いに直角。 (4)2枚の偏光板を重ね、一方を回して暗黒になる位置を探す。この状態を変えないで、偏光板の間に、方解石、ガラス、セロテープ(を貼ったガラス)を入れて回してみる。明暗を繰り返す。途中で光ベクトルの方向を変えるものがあれば、2枚目の偏光板を通す。 (5)(4)の状態の偏光板に、セロテープを重ね貼りしたガラスを入れて回す。 ディジタルウォッチなど、液晶を使ってある画面上で偏光板を回してみる。方解石結晶 地学から借りる 偏光板 2枚 ガラス板 セロテープ |
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セロテープのステンドグラス |
セロテープを重ねて旋光させ、偏光顕微鏡の原理を考える。 板目紙 セロテープ |
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旋光性 |
偏光が光学活性体を通過すると振動面が回転する現象-旋光性を観察する
(1)上図のようにセットし、容器を水に入れ、それに徐々にショ糖を溶かしていき、明るさの変化があるか観察する。糖の濃度により旋光角(光ベクトルの回転角)が異なる。 |
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ドップラー効果 |
水波、音波のドップラー効果を観察する (1)水波発生装置を力学台車に乗せて、波源を動かす。ドップラー効果(1)、衝撃波(2)を見ることができる。 (2)乾電池とブザーを結線し、糸に結んで、振り回す。音程の変化が聞こえる。 低周波発振器 アンプ スピーカー 水槽 水波用点波源 力学台車 単3乾電池 乾電池ボックス ブザー たこ糸 |
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音叉の共鳴 |
2つの音叉の共鳴箱の開口部を向き合わせ、片方をたたいて、しばらくしてから手で押さえて止める。するともう一方が鳴っているのが分かる。 | |
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共鳴箱の役割 |
音叉の共鳴箱の役割について調べる。まあ、共鳴胴の役割について考えてみる。 音叉A,Bを箱からはずす。 (1)音叉A,Bを槌でたたいて音の大きさを確認する。 (2)音叉A,Bを槌でたたき、音叉の足を机や黒板に押しあててみる。 (3)音叉A,Bを槌でたたき、音叉の足を異なる共鳴箱に押しあててみる。 (4)音叉A,Bを槌でたたき、音叉の足をギターの共鳴胴にそれぞれ押しあててみる。(4)では、押しあてる位置によって音の大きさが異なる。 楽器の場合、音が大きくなるのは、胴の共鳴板としての役割が大きいからか? 共鳴箱付き音叉:振動数が異なるもの2個 槌 ギター |
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開口端反射 |
気柱の開口部でも反射が起こっていることを示す。
図のようにパイプの中に超音波を出す。距離計の読みがパイプの長さ程度になる。 |
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ストロー笛の音階 |
ストローの長さによって、音の高さが変わることを体験する。 (1)ストローの端を図のように切り、よくしごく。 (2)鳴るようになったら、鳴らしながらストローをはさみで切り落としていくと音の高さが変わっていく。 |
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せみぶえ |
気柱の長さと共鳴する振動数の関係を調べる
画用紙を丸めて、せみぶえの太さの筒を作っておく。せみ笛に筒を付け、長さを変えて、音を比較する。 せみぶえ 画用紙 (製作費用 約300円) |
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定常波 |
様々な定常波を作り、物体には固有の振動があることを理解する (1)2人でプラスチックバネを持って振動させ、定常波を作る。(基準振動、倍振動、3倍振動、・・・・) (2)なべに水を入れて、よく洗った手でいろいろこする。 (3)水入り風船をマッサージ器で振動させ、ストロボスコープをあてる。 (4)スペースボイスを振り回す。 (5)長さの違う木の棒を落として、音を聞く。 (6)金属棒のちょうど真ん中を片手で持ち、もう片方の手の先に松ヤニをつけてこする。1/4のところを持つと、倍振動になる。 (補足:北村)なべは金属製の取っての付いた中華鍋やすき焼き鍋。指先を石鹸でよく洗っておくことがこつ。油分が少しでもあるとうまく行かない。指先の指紋が震動源となる。スペースボイスは蛇腹のついたホースで口の部分が特殊な形状。金属棒は、木槌で片端をたたいたり、空中でたたいてもおもしろい。他に、モノコード、オルガン管なども併用する。 スペースボイスの代わりにエアコン用のドレインホースでも小さいけれども音は出る。木の棒は堅い物の方がはっきり聞こえる。ストロボスコープ |
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弦の定常波 |
弦に生ずる定常波の様子を観察する (1)モーターを回転させ、糸をぶら下げる。ちょうど節の部分をつかむと、定常波ができる。本体の重さを変えたり、回転数の異なるモーターを用意しておくと、波長の違いがよく分かる。 留意点等:余った糸がからまないように注意する。 使用器具:直流モーター おもり 電池、電池ボックス 糸 |
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縦波の定常波 |
定常波は通常、横波の形式で表されることが多い。しかし、気柱の開口端反射などは、縦波で考えなければ理解できない。縦波の定常波をイメージする実験。 周波数を変えると様々な定常波が見える。 留意点等:上端部が固定端になる場合と、自由端になる場合がある。上端部に何もつけないと、横に発振しやすくなる。(安定が悪い) 使用器具:低周波発振器 アンプ スピーカー 紙箱 押しバネ(直径30mm、長さ200mmぐらい:東急ハンズで購入) |