アパラチアン・トレイル
アパラチア山脈、ゲッティスバーグ

ことしの感謝祭は、アメリカ南部ジョージア州 グレート・スモーキー・マウンテン国立公園近くの山荘に家族が集まり過ごすことになった。 フロリダに住む家族とNYに住むわれわれが現地に集合するという計画だ。人間が8人、犬が4頭の共同生活で炊事も自分たちですることになる。


NYからドライブで行くことにした。このコースはメイン州からアラバマ州まで北米東部を縦断するアパラチア山脈に沿っている。そこには、ハイカーに名高い「アパラチアン・トレイル」があるが、われわれはドライブでそれを楽しもう。11の州と1特別区をまわり、往路に2泊、山荘に4泊、復路に2泊である。

音楽をどうぞ(映画「南北戦争」の主題曲)  をクリックして音楽をお楽しみください。

“Ashokan Farewell” from “The Civil War” (Soundtrack)


南北戦争とゲッティッスバーグ                   

このコースは南北戦争の史跡が多い。特に、激戦地のゲッティッスバーグに寄り、激戦の模様を学ぶと共に南北戦争について考えてみたい。


第1日 (2008.11.24 月曜日)
ニューヨーク - バージニア(ゲッティスバーグ見学)

ニューヨーク・ニュージャージー・ペンシルバニア

7:15出発。まずまずの晴天だ。タッパンジー橋(写真下)を渡りハドソン川の西へ。

ニュヨーク州から ニュージャージー州へ。 このあたりは低木の林が広がる丘が続く。この州は州としての特色が少ない気がする。ニューヨークに隣接していてベッドタウン化しているためか。埼玉県に似ているのかな?

9:00、デラウェア川を超えて第3番目の州ペンシルバニアへ。のどかな農村地帯だ。ベツレヘムという町がある。モラビアン派の宗教グループが開いた古い町ということだ。寄りたいが先へ急ぐ。IHOPというレストランチェーン店でブランチ。店員の対応がニューヨークよりずっと暖かみがあり、客との会話を楽しんでいるようでうれしい。


エフラタEphrataという町に古いプロテスタントの共同体(修道院)Cloisterの遺跡があるというので寄る(写真右)。まず映画を見せられる。18世紀のドイツ人、Conrad Beisselは混乱と宗教的迫害のヨーロッパを離れることを決意、24歳のときにプロテスタント仲間とともに新大陸に渡り、この地に共同体の村を建設。最盛期には80人が生活していた。厳しい信仰生活で、深夜に起床して祈り常に神とともに過ごす生活であったという。印刷業も営んだ。1813年に最後の一人が亡くなり共同体は消滅した。


現在でもアメリカ人は信仰深い人が多い。進化論を否定し聖書の文言そのままを受け入れる「原理主義者」も少なくない。これは新大陸に渡ってきた先祖たちに宗教的迫害を逃れてきたものが多く、また厳しい未開の地を生きる上で信仰が大きな役割を果たしたためであろう。そのような歴史をここEphrata Cloisterで理解できた。しかしながら、一方で現代のアメリカの宗教的風土の一部に、私の目にはかなり行き過ぎではないかと感じる場合もあり、複雑な気持ちにもなった。


ゲッティッスバーグ

田舎道を走りゲッティッスバーグ国立軍事公園Gettysburg National Military Parkのビジターセンターに着く(14:00)。
ここは南北戦争の激戦地(1863年)である。まず、映画館で南北戦争の概要を説明する映画を観る。その後、シクロラマCycloramaを見学。ここにはフランス人が1884年(戦争の20年後)に描いた一周120mという絵があり光、煙、音と解説で戦争の経過を知ることができる(写真上)。戦闘の様子が迫力豊かに描かれている。(戦争の概要はCivil Warへ)


シクロラマを見学後外に出るとあられと雨。15:30出発。第4番目の州、メリーランドのFrederickを過ぎるころは雨が激しくなる。ポトマック川を渡ると第5番目の州、ウェストバージニア。山の中の道を走り第6番目の州、バージニア州に入る。17:50 、今晩の宿泊地フロントロイヤルFront Royalに到着。

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